2013年

6月

07日

農でつながる縁~いわき夏井ふぁーむ 小林さん~

 “家庭に恵まれない環境で育った人たちのために アットホームなものを作りたい。”

 

小林 勝弥さん・美知さん ご夫妻は、知的障害者のための自立支援活動福祉施設で働くうちに、

そんな思いを抱くようになりました。

 

 

 

               「いわき夏井ふぁーむ」 小林 勝弥さん、 美知さんご夫妻

        「作業メンバーは、農業に関わることで とてもいきいきとしています」 と美知さん。  

 

施設で27年間、園芸指導者として働いていた勝弥さんは、平成16年に退職。

一時離れていた実家の農業を再開するにあたり、お二人は地元の知的障害者5名程を農作業

メンバーとして引き受け、彼らがのびのびと働けるアットホームな環境で、無農薬・有機栽培

 「農業セラピー」 を始めました。

 

"土に触れ、植物を育てることには癒しの効果がある” このことは18世紀から知られていました。

 

 (左)里芋の苗  (右)農薬により農地では昆虫が減ってきた昨今、有機認証を取得した小林さんの農地には蝶が舞う

 

 小林さんの思いが実現し、動き始めたものの、その後自立支援法の制定により、小林さん個人

では 農業セラピーを継続していくことが困難な状況に陥りました。しかし施設の協力を得て、

法人の活動として継続が可能となりました。

 

 ところが、その後の平成23年の大震災。今度は農業を営むこと自体が危うくなりました。

海に近い小林さんの圃場には、太ももの高さ位までの津波が押し寄せ、長年かけて作り上げた

肥沃な土は塩害を受けてしまいました。

 

 「これでは作業メンバーに賃金が払えない。」

 

農業セラピーを辞めることを考えました。しかし「是非続けてほしい」 という施設からの要望と

応援を受け継続を決心しました。

 

 さらに、小林さんの無農薬・有機栽培の野菜を扱っていた、全国宅配事業を展開する

「大地を守る会」は、小林さんの土壌の除塩の支援をし、風評被害という逆風の中、安全が確認

された野菜を継続して取り扱う、という応援を震災直後から、ずっと続けています。

 

そして、いわきオーガニックコットンプロジェクトを手掛けるNPO法人ザ・ピープルの紹介に

より、毎月沢山のボランティアの方がバスツアーで農作業の手伝いに訪れてくれるようになりました。

 

(左上)障がい者が収穫したそらまめ                    (右上)ハウスの中も津波が入り塩害を受けた

(左下)美知さんはオーガニックコットンの苗を栽培中。         (右下)オーガニックコットンの苗。発芽率は良好。

 

「必要なタイミングで、不思議なご縁と、さまざまなご支援をいただくんです。」

と、おっしゃる美知さん。

 

強運体質なのでしょうか? それもあるのかもしれません。

ですが、お二人が今までに周囲に広めた思いやり、それがめぐり巡ってお二人の元へ帰って

きている、そんな気がしました。

 

施設の仕事と、農作業メンバーのとりまとめ、また主婦として、様々な業務に追われとても忙しかっ

た美知さんも、今年6月に退職を迎え、今後は勝弥さんと二人で農業に専念し、新たなスタート

を切ることになりました。

 

小林さんは現在、有機JAS認定を受けた圃場で、ソラマメ、じゃがいも、株立ち春菊、エシャレット、

里芋 を生産しています。

無農薬・有機栽培の小林さんの野菜は、いわき市内のスーパーに出荷されることはなく、主に

「大地を守る会」へ出荷されます。

 

また、野菜のほかに、新嘗祭の時に天皇陛下が奉納する品種として知られている「まんげつもち」

という品種のもち米を減農薬で栽培しています。

 

「米の無農薬栽培は、様々な条件が揃う必要があり、現時点ではとても難しいのですが、

可能な限り減農薬で努力して行きたいです。」

 

と小林さん。こちらは市内の問屋へ卸していて、契約栽培による直売も予定しています。

 

                    この日は小林さん宅の玄関先に、みごとな大賀ハスが咲いていました。

 

 「今まで作業メンバーの事務所として使っていたスペースを加工場に改装し、規格外品の

 野菜を活用した様々な加工品を作りたいんです。かなり先のことになるかもしれませんが(笑)」

 

そう言いつつも、アイディアに満ちている美知さんには、楽しみながら加工品を作っている未来の

ご自身の姿が見えているようです。

 

「いわき夏井ふぁーむ」のラベルが貼られた、野菜ジャムなどが誕生する日は、そう遠くないかも

しれませんね。

 

 

 

 

 

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いわき夏井ふぁーむでは、年末に「まんげつもち」

   を使用した『白もち』を販売・発送します。

 

  予約生産となりますので、ご希望の方は

       下記までご連絡ください。

 

        《いわき夏井ふぁーむ》

       小林 勝弥・小林 美知

        電話:0246-34-9356

 

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